2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

翻訳夜話

言わずと知れた大作家であり、翻訳も多くものしている村上春樹。 東京大学の教員であり、日本で有数の翻訳家である柴田元幸。 2人の対談。 若手翻訳家を交えてのフォーラム。 同じ作品を2人が別々に翻訳する。 盛りだくさんの内容と、翻訳への愛に溢れた1…

天才たちの値段

芸術、美術をテーマにしたミステリというのは難しい。 絵や写真ではなく、文章だけでその芸術性を表現しないといけない。 何かしらの権威を出して、良い悪いという言い方をさせないと、その良さを伝えるのが難しい。 本書に出てくる美術コンサルタント神永美…

神と世界と絶望人間

世の中に起きていることには、必ず原因があって、その原因の大半は人為的なものである。 人為的なものなのだから、誰かにとっては都合が良く、誰かにとっては都合が悪い。 そして、誰にとって都合が良いのかといえば、それはまさに権力者にとってに違いない…

そうだったのか!現代史

池上彰の「そうだったのか!」シリーズ。 テレビでよく見る分りやすさで持って、現代史、アメリカ、中国などを解説していく。 何よりも、具体的な報道が当時は本当にできなかった中国が面白い。そうだったのか! 現代史 (集英社文庫)作者: 池上彰出版社/メー…

西尾維新の戯言シリーズのさらにそのうちの人間シリーズ完結編。 相変わらず言葉遣いとそのノリはキレキレ。零崎人識の人間関係 戯言遣いとの関係 (講談社ノベルス)作者: 西尾維新,竹出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/03/25メディア: 新書購入: 10人 ク…

狼花

新宿鮫シリーズ9冊目。 鮫島、鮫島と同期のキャリア香田、鮫島の宿敵の犯罪者仙田。 それぞれに理想を持って自分のするべきことをやろうとする。狼花―新宿鮫〈9〉 (光文社文庫)作者: 大沢在昌出版社/メーカー: 光文社発売日: 2010/01/13メディア: 文庫購入:…

激走

マラソンミステリ。 マラソンの一レースのスタートからゴールまでの間を書きつくす。 その中に、高校時代の因縁や試合中に起きる事件を絡めていく。 読みやすい文章に加えて、一人一人のドラマが丁寧に書かれているのがとても良い。激走 (小学館文庫)作者: …

北村薫の創作表現講義

小説家の北村薫が早稲田大学で行った特別講義を本にまとめたもの。 ストーリーテラーと呼ばれる人の凄いところは、どんなにたわいのない出来事でも一つの物語にできることだ。 そして、その物語を誰もが楽しめるような形にできるのである。北村薫の創作表現…

貧者の晩餐会

初めて読む作家さんだったが、どうやらリーバス警部というシリーズ・キャラクターを持っているようだ。 意外な結末を導いてくる上手さがあり、イギリスミステリらしいユーモアある会話が楽しい。現代短篇の名手たち2 貧者の晩餐会 (ハヤカワ・ミステリ文庫)…

GOSICKs

ゴシックシリーズの前日譚となる短編集。 ヴィクトリカの可愛さは素晴らしい。GOSICKs-ゴシックエス・春来たる死神ー (角川文庫)作者: 桜庭一樹出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2010/03/25メディア: 文庫 クリック: 27回この…

ミステリ愛。ミステリ魂。

メフィスト編集部による、テーマを決めた競作。 「ミステリ愛」は一族、ヌレギヌ、鍵の3つのテーマを6人の作家が書く。 「ミステリ魂」は学園物を5人の作家が書く。 それぞれから1話お勧めを選ぶなら、愛からは村崎友の「鎧塚邸はなぜ軋む」。 魂からは石持…

真実の絆

大富豪の遺産相続をめぐるお話。 行方不明の隠し子の存在や、大富豪のDNAを入手し隠し子の替え玉を用意しようとする思惑を持った連中やらが動き回る。真実の絆 (幻冬舎文庫)作者: 北川歩実出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2005/03メディア: 文庫 クリック: 1…