2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

イノセント・ゲリラの祝祭

うーんと、斜め読みしていたのであんまり覚えていないんですが…。 次に続かせる終わり方というのを意識しすぎたのかどうか、登場はしたものの見せ場がほとんどない人物なんてのがいたりして。 まあ、「チームバチスタ」シリーズの第4作目でございます。イノ…

Story Seller2

現代を代表する作家陣による短編・中編集。 個人的な趣味でいえば、今回のベストは本田孝好「日曜日のヤドカリ」。 現実的にみて、馬鹿丁寧な言葉遣いの小学生というのはちょっと気味が悪いかもしれないけれど、作品世界としては僕はそういう存在は大好きだ…

サクリファイス

自転車のロードレースのお話。 ロードレースというのはチームで参加するもので、チームのエースを優勝させるためにはアシストといって最初から自分の成績を捨ててでもペースメーカーーに徹する選手の存在がある。 彼らはまさにチームのためにエースのために…

GOSICKⅢ

ヴィクトリカと久城一弥の冒険譚第3弾。 シリーズ第1作を初めて読んだときは、 「あぁ、ローゼンメイデンだ」と思いました。 ヴィクトリカはまさしく真紅のモデルそのものに思われるようなふるまいを見せています。 それにしても、自分も成績優秀の学生な…

食堂かたつむり

映画化もされてだいぶ話題の作品。 一日に一組しか入れない食堂。 そこで癒される人々。 母と娘の物語。 ほのぼのなのか不思議なのかと思わせておいて、背筋も凍るような最後の晩餐。 もう、最後のインパクトが衝撃的すぎて、映画化もそれだけに興味が向かっ…

罪・万華鏡

正子と魔作子 正世と魔作世 正恵と魔作恵 登場人物はその名前付けによって極端に記号化される。 殺人や傷害が起き、その加害者は正子や正世であり、被害者となるのが魔作子や魔作世となる。 名前だけ見れば加害者被害者は正反対のはずであるが、実際のところ…

夏への扉

SFの名作ということで以前から題名は知っていたのですが、 今回ハヤカワ文庫から再版されたのを機にようやく読むことができました。 内容を詳しく説明するよりは、ぜひ読んでください!、の一言で済ませたい作品です。 なぜかというと、 ①SFに特有の難解…

ワーキング・ホリデー

ホストをしている主人公の元に、会ったことも無い小学生が「息子です」と言ってやってくる。 ホストをやめて宅配便のドライバーに転身し、様々なトラブルに遭遇していく。 坂木司の小説には、ほかにクリーニング屋を題材としたものがあるが、宅配便もクリー…

いっぺんさん

これまたホラー短編集。 朱川湊人は戦後の昭和を描くのが大好き。いっぺんさん (ジョイ・ノベルス)作者: 朱川湊人出版社/メーカー: 実業之日本社発売日: 2009/07/17メディア: 新書 クリック: 8回この商品を含むブログ (5件) を見る

蘆屋家の崩壊

ホラー短編集。 一編ごとに現在と回想が交互に語られる。蘆屋家の崩壊 (集英社文庫)作者: 津原泰水出版社/メーカー: 集英社発売日: 2002/03/20メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 70回この商品を含むブログ (70件) を見る

プールの底に眠る

とうとうメフィスト賞も42回を数えることになりました。 もう数か月前に読んだ本なので内容を具体的には覚えていないんですが、夏休みに出会う高校生の男の子と中学生の女の子。 すがすがしい恋愛小説の顔と、興味を尽きさせないサスペンスの両面を併せ持…

スリーピング・マーダー

記憶の底に眠っていた死体がよみがえる。 遠い記憶の中にある死体。 そもそもそれは死体なのか。 それは誰なのか。 どうして死んだのか。 事故なのか、自殺なのか、他殺なのか。 他殺であれば犯人は。 完全犯罪を達成するには、それが犯罪たり得なくすればよ…

罪灯

ミステリで「プロバビリティの犯罪」というと、犯人は直接手を下さずに偶然に頼ることで、逆に罰から逃れようとする犯罪のこと。簡単に言えば、階段にバナナの皮を置いておいても、誰も滑って転ばなければそこに事件は起きないし、もし滑って転ぶ者がいたと…